コカインのもたらした闇

解説

どうも、kmです。今回はコカインの光と闇のうち、
闇について解説をしようと思います。
光の側面についても解説しているので、そちらもご覧ください。
光の記事↓
https://www.yukkurikm.site/kokainn-hikari
↓動画版はこちら

光の方↓


コカインの麻薬としての作用機序は、
「神経終末のモノアミントランスポーターを阻害することで
モノアミンの再取り込みを阻害し、中枢興奮作用をもたらす」

この作用は中枢神経の報酬系という部分へ影響を及ぼします。

報酬系とは?
報酬系とは、個体が欲求を満たした場合に機能し、個体に快感を与える経路です。近年徐々に回路のシステムが明らかになってきており、
学習や動機付け、薬物依存など広くかかわる経路であるとされています。
また、欲求を満たした場合だけでなく、
欲求を満たせそうだと予想できる時点でも活性化する
ということが実験で示されているようです。

報酬系の分子機構
神経細胞はそれぞれ直接つながっているわけではなく、
神経間隙(それぞれの神経細胞の間)に
神経伝達物質(情報を伝達するための物質)を放出し、
それを他の神経細胞が受け取ることで情報が伝達されていきます。
神経伝達物質はいくつもの種類がありますが、
報酬系に大きくかかわっているとされている神経伝達物質は
ドパミン」と考えられているようです。
そのため、今回はドパミンを中心にコカインの作用機序を説明しようと思います。

コカインによってうドパミンの動態が変化するのか?
これは神経間隙を示した図です。

ドパミンは神経間隙に拡散し、次の神経細胞に情報を伝達するわけですが、
このドパミンはドパミントランスポーターによって、
直ちに出てきた神経細胞に取り込まれます。

ドパミントランスポーターは必要な量だけ
ドパミンを作用させるように働いているのです。

コカインの作用機序
コカインはドパミントランスポーターを阻害します。
その結果、神経間隙のドパミン量が増大し、
ドパミンの作用が強く出るようになります。

すなわち、報酬系によって得られる快感が増幅されるということが起こります。
これがコカインによって快感が発生する機序です。

コカインに曝されると体にどういう変化が起こるのか?
このような物質の投与によってそれに関わる
複数の遺伝子の発現が変化することが報告されています。
具体的には情報伝達に関わる遺伝子に影響するようです。
おそらく、コカインによる神経伝達の変化を緩衝する方向で
遺伝子の発現が変化しているのだと考えられます。

コカインの身体的依存と精神的依存
一口に依存といっても実は依存には大きく分けて二種類存在します。
それが精神的依存と身体的依存です。
身体的依存とは?
身体的依存は、簡単に言えば「苦しみから逃れたい」となります。
正確には、薬物がある状態に慣れた体は、
薬物の作用がある状態に適応しています。
この状態でからだから薬物が消失した場合、
薬物がない状態に体は適応しなおす必要があります。
この時に発現する症状を「離脱症状」というわけですが、
これが極めて激しいものなので、
これから逃げるために薬物を使用してしまうようになります。
これが身体的依存です。
ただ、コカインは身体的依存は比較的弱いと言われています。
これはコカインの作用時間の短さにより、
体が適応する前にコカインが消失してしまうからと言われています。
精神的依存とは?
精神的依存は、簡単に言えば「もっと快感が欲しい」です。
精神的依存は、薬物を使用することで簡単に快感が得られる
ということを学習してしまった結果、
「あの快感を得るために薬物が欲しい」という状態になることです。

コカインの作用時間はかなり短く、使用方法にもよりますが、
ほとんどが一時間程度です。そのため、すぐに作用が終了してしまいます。
したがって、何度も使用してしまうために
依存に陥りやすいという性質を持っています。

コカイン含む覚せい剤や麻薬とされているものは
多かれ少なかれこのような作用を持っています。
そのため法で規制されているというわけです。

それでは今回の解説は以上になります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました