どうも、kmです。今回は毒物解説ということで、
ドクツルタケについて解説していきます。
動画版はこちら↓
ドクツルタケとは?
ドクツルタケはテングタケ属に属するキノコです。
北半球に広く分布し、初夏から秋にかけての森林地帯に分布しています。
とてつもない毒性を持っていますが、
そこら辺に生えているということもある恐ろしいキノコです。
東北地方では、テッポウタケ、ヤタラタケなどと呼ばれることがあります。
名前の由来としては、鉄砲に打たれると死ぬからだとか、
やたら中毒になるからだとかそういう理由のようです。
ここからもドクツルタケの毒性の強さがうかがい知れますね。
また、欧米では殺しの天使や破壊の天使のような異名がついています。
ドクツルタケの中毒症状
まずは一つ症例をご紹介します。
平成3年(1991) 9月24日,山梨県北巨摩郡小淵沢町の作業現場近くの林の中で,採った「ドクツルタケ」を4人が宿舎で牛肉やネギなどと一緒に油いためにして摂食。吐き気下痢などの食中毒症状を起こして町内の病院へ入院した。 うち19歳の男性1人は症状激しく甲府市内の病院に転院し,治療を受けたが摂食16日後,肝不全で死亡。残る3人は町内の病院で治療,摂食12日後回復退院した。
朝日新聞, 1991年10月11日付
このほかにも大量の中毒事例があります。
知識がない人が採集して食べてしまう例もありますが、
食用のほかのキノコと間違えて摂食する場合も多く、
怪しいキノコは食べないということがよいでしょう。
中毒症状としては、
食後6~24時間後にコレラ様の症状(おう吐、下痢、腹痛)が現れるが1日でおさまり,その後24~72時間で内臓の細胞が破壊され肝臓肥大,黄疸,胃腸の出血などの肝臓,腎臓機能障害の症状が現れ,死亡する場合がある。催吐,胃洗浄,活性炭投与など適切な処置が必要である。https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/kinoko_09.html
厚生労働省のサイトから引用させていただきました。
これを見る限り、前半の症状と後半の症状があり、
あとから出てくる症状が非常に危険ということが分かります
ドクツルタケの毒成分
ドクツルタケの毒成分はアマトキシン類や
ファロトキシン類など様々含まれています。
このうち最も有名なものは「α-アマニチン」なので、
今回の解説シリーズではこちらについて詳しく解説することとします。
α-アマニチンはこのような構造をしています。
11のアミノ酸が連なった環状構造を持つ物質です。
この物質は耐熱性で、調理時で発生する程度の熱では失活しません。
そのため、加熱したとしてもドクツルタケは食べられません。
それでは今回はここまでにしたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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