ビタミン解説

解説

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ビタミンとは?

ビタミンの語源は、英語の「vital」「amine」から来ています。「生命活動に必須のアミン類(窒素化合物)」にちなんで「Vitamine」と命名されました。後に「Vitamin」となりますが、経緯については後述します。

ビタミンはエネルギーにはなりませんが、人体の機能を正常に保つために必要な栄養素のことです。ビタミンと呼ばれているものは現在13種類あり、大きく分けて水溶性ビタミン脂溶性ビタミンに分類することが出来ます。食品によって含まれているビタミンは様々なので、必要な量を摂取するためにはバランスの良い食生活が必須となります。ビタミンは、体内で行われるさまざまな化学反応を円滑に起こるよう潤滑油的な働きをしています。

体内で必要な量はモノによってmgやµg程度のわずかな量ですが、体内ではほとんど合成することが出来ないため食物から摂取する必要があります。もしも欠乏すると特有の欠乏症を発症してしまいます。

日本人の一般的な食生活であればビタミン欠乏症を起こす可能性は低いと考えられていますが、極端な食生活を送っていると十分量に満たない可能性があります。

ビタミンの歴史

ビタミンは、軍隊で発生した脚気壊血病といったビタミン欠乏症を何とかしようと軍医が研究したことが始まりといわれています。ビタミンは世界中で研究されていたようで、様々な発見がされています。その一部をここで紹介します。

1887年にオランダの医学者であるエイクマンが、精白米で鶏を飼育すると脚気が発生し、米ぬかを与えると脚気の症状が治るということを発見し、米ぬかの中に微量の必須栄養が存在することを確認しました。
1910年に鈴木梅太郎が米ぬかから脚気に有効な成分「抗脚気因子」を抽出し、これを「アベリン酸(1912年にオリザニンに改名)」と命名しました。そして、鈴木梅太郎はヒトと動物の生存に不可欠な未知の栄養素として東京科学雑誌に発表しました。なんとこれが最初のビタミンの発見であったようです。
これは、1911年8月のドイツの学術速報誌に掲載されましたが、これが日本語で発表されたため、残念ながら大きな注目を集めることはなかったようです。

1911年にポーランド人のファンクも米ぬかから抗脚気因子の成分の抽出に成功しています。この成分にアミンの性質があったため、この成分を「vital」と「amine」から「VItamine」と命名しました。彼の論文はイギリスの影響力の大きい科学誌で発表されたため、ビタミンの発見者はファンコであると認識されているようです。

現在では二人が発見した抗脚気因子はどちらも「ビタミンB1」であることが分かっています。
1913年にマッカラムによって卵黄やバターの中にネズミの成長に不可欠な成分があるということが発見され、1914年にその成分の抽出に成功しました。

ファンクの発見した成分は水溶性であったため、それを「水溶性B」、自信の発見した成分を「脂溶性A」と命名しました。

発見はファンクの方が早かったのですが、なぜか自身の発見した物質の方をAとしたようです。
1920年にイギリスのドラモンドが柑橘系の果物の中から壊血病を予防する成分の抽出に成功しました。

この成分はアミンの性質を持っていなかったため、ファンクによって命名された「Vitamine」の名称を、「Vitamin」と少しだけ変更することを提案しました。そして、彼はマッカラムの命名を参考にしつつ、発見した物質を「Vitamin C」と命名しました。
これが定着して現在のビタミンの表記になっています。

これら以外にも生命維持に必要な物質は多数発見され、正式な構造が判明されるまでの仮称として発見された順番にD、E、Fと命名されていきました。また、早くから構造が判明していた物質や、検討した結果ビタミンであることが判明した物質については仮称が一般的ではないものもあります。

ちなみに、ビタミンKだけは血液凝固系に関係していたため、(凝固を意味するドイツ語であるKoagulation)の頭文字が取られています。

ビタミンの過剰摂取

皆さんご存じの通り、ビタミンが入っていることを売りにしている食品はサプリメントをはじめとして、飲み物、加工食品、お菓子に至るまで数多く存在しています。

これらの食品は複数種のビタミンを含んでいたりいなかったりする上に、含有量もかなり差があります。そのため、ビタミンが入っていればよいものとして積極的に摂取していると、過剰量の摂取になる場合があります。

一般的に水溶性のビタミンは過剰になることはないと言われていますが、脂溶性のビタミンでは肝臓に蓄積し、過剰症になる場合があるので注意が必要です。特に一部のビタミンには催奇形性があることが報告されているので、妊娠を希望する方、妊娠している可能性がある方は主治医に相談することをお勧めします。

医薬品との飲み合わせ

一部のビタミン(ビタミンAビタミンB6ビタミンK等)は医薬品との併用に注意が必要な場合があります。特にビタミンKはワルファリンを服用している方は要注意です。

例えばワルファリンビタミンKの併用であれば、その作用が弱くなり、血栓ができやすくなるため危険です。

本当にビタミン剤が必要なのか?

ビタミンはよほど極端な食生活を送っていなければ、問題になるほど不足する可能性は低いと言われています。

「特別理由が無いのであれば服用をやめろ」とまでは思いませんが、私はビタミン剤がそこまで多くの方に必要かと言われると正直微妙だと考えています。「疲れに対して効果的」と謳っているものもありますが、ビタミンでごまかすのではなくしっかり休んでください。大概の方はビタミンが原因というよりは休息不足が原因のはずです。

「自身で健康のために…」と始めたものであれば、一旦やめてみて、特に変わらないのであれば中止してもいいのではないかと思います。ただ、効果の判定を自身で行うのは難しいかもしれませんが…。

病院から処方されている場合は医師の指示に従ってください。

品質の問題

医薬品にも同形状のものが存在しているため誤解される場合がありますが、そもそもサプリメントは食品です。そのため、医薬品に課されるような品質管理基準は適用されていません。つまり、モノによっては不純物が混じっていたり、成分が表示されている量入っていなかったりする割合が高くなる傾向にあります。

例えば、特定の食品の抽出物を使用しているものだと、産地や収穫した季節によって有効成分の含有量が大きく異なる場合があります。これは自然由来の原料を使用している場合は産地や気候条件でも有効成分の含有量が変わることがあるため仕方のない部分はあります。しかし、明らかに有効成分が十分量入っていない場合もそれなりに存在します。

このように安全性や有効性が十分に確保されていない食品が存在するため、自身が使用する健康食品についてはよく調べてから使うことが望ましいです。

それではその対策に何をするか、ですが、以下の方法がお勧めです。

健康食品の安全性を遵守しているとされる国内工場で製造された製品には「健康食品の」GMPマークを付けることが可能です。これがついているものについては一定の安全性と品質は確保されていると思われます。また、その健康食品、または製造業者の製品で健康被害が発生した例がないかを調べるとよいと思います。他の製品であっても何か問題が起こっている場合は他の製品についても品質が高いとは考えにくいためです。

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