毒キノコの見分け方「塩漬けにすれば毒は消える」

解説

どうも皆さん、kmです。
今回も動画で紹介した見分け方についていろいろお話したいと思います。
動画と被る部分もありますが、動画で紹介できなかった部分も
追加で説明していますので、よかったら見ていってください。

動画版はこちら↓

「塩漬けにすれば毒は消える」
これは保存食として塩漬けを作る地域で多い傾向があります。
長野県や東北地方周辺でよくみられるらしいです。
塩漬けにするキノコはツキヨタケベニテングタケ
クサウラベニタケといったキノコを塩漬けにすることが多いようです。
どのキノコも毒キノコなんですが、それらは塩漬けにしさえすれば食べられるのか?
それについて考えていきましょう。

結論から言いますと、塩漬けだけでは無理だと考えられます。
毒性本体の物質の性質によりますが、塩漬けによって物質が破壊されたり、
物質がキノコから抜けたりということが考えにくいからですね。

これだけでは少々抽象的でわかりにくいかと思いますので、
ベニテングタケの塩漬けを例に出してお話ししたいと思います。
実際どのようにして生産されているか?
というのは情報がほとんどなかったので出来る限りお話しします。
ベニテングタケの塩漬けは、
「塩漬けにする前にゆでる、もしくは水にさらす、その後塩漬けを行う」
みたいです。
ここで一度ベニテングタケの毒性成分であるイボテン酸をご覧ください。

どこからどう見ても水溶性ですね。
塩漬け作成工程において、
ゆでる、もしくは水にさらす工程で
このイボテン酸が抜けるのではないかと考えられます。

それでは塩漬けに全く毒抜きの作用はないのか?という部分ですが、
イボテン酸とムッシモールの含有量を調べた報告があるみたいなので紹介します。
乾燥するとイボテン酸が減少ムッシモールが増加
塩漬けや加熱調理ではそれぞれが少し減少するみたいです。
どうも塩漬けで減りはするようですが、全くなくなるわけではなさそうです。
私個人の考察としては、塩漬けによって物質に影響があるかといわれると少々疑問です。
以下そう考える理由です。
・そもそも物質自体が塩漬けにしたところで構造に変化が起こらないことと、
・微生物が作用するにしても塩漬けになっているために微生物が活動しにくい
という点が引っ掛かります。
そのため、私は塩蔵にあまり毒抜きの効果はないのではないかと思っています。

ただ、記録に「ベニテングタケを天日干しして毒抜きしている」
という記録もあるため、いったいどれが本当なんだ?という状態です。
あの構造では天日干しをしてもどうにもならなさそうですけど、そうでもないのかな。
それでは次にツキヨタケの塩漬けについてみていきましょう。
といっても、基本的にやっていることは
「水につけて、塩に漬ける」
という感じみたいです。あまりベニテングタケと変わりません。
具体的な方法としては、
「ゆでこぼして水を何回も取り換えて、しばらく水につけてから調理する」や
「米のとぎ汁に浸す」など経験から生まれた方法がいくつかあるようです。
どちらにしても経験的にうまくいっているの域は出ません。
そして注意が必要なのは、こうすれば毒は消えるという方法が
きちんと証明されているわけではなくて、
あくまでも経験的に行われているということです。
キノコは産地や時期によって毒の含有量が大きく異なるということが知られています。その地域ではこの方法でうまくいっていたが、
別の地域では全くうまくいかないということも十分考えられます。
なので、これらの情報を元にキノコの塩漬けを作るのはおやめください。
責任も取れません。

というわけで、「塩漬けにすれば毒は消える」については完全に間違いというわけではなくて、正しい場合もあるが、経験的に行われているためにどこまで正しいかと言われると判断に困る。といったところになると思います。
今回はこのくらいで終わりにしようと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

コメント

  1. あんどぅ より:

    いつも楽しい動画をありがとうございます😊

    今回のキノコ動画&ブログですが、やっぱりキノコはヤベー奴だな、って感想と…

    日本人の食への執着がすごくて(知ってたけど)ガクブルでしたwww

    もし機会がありましたら、毒のある食べもの、こうして食べちゃいました♡動画をお願いします!
    蒟蒻とか、フグとか、鮭の生食とか

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