和歌山ヒ素カレー事件

解説

和歌山ヒ素カレー事件とは、1998年7月に和歌山市で行われていた夏祭り会場で発生した事件です。

地域の主婦たちが調理したカレーライスを食べた人々が相次いで嘔吐や激しい下痢を発症し、4人が犠牲になりました。当初は青酸化合物の中毒が疑われていましたが、10日以上経過してヒ素中毒であることが明らかになりました。

カレーのヒ素濃度は6000ppm以上となっており、スプーン数杯で中毒を発生するほどの高濃度でした。

被害者のヒ素摂取量は大きく変わりありませんでしたが、特に成人の中毒症状が重かったようです。これは小児の方がメチル化能が高く、メチル亜ヒ酸の生成量が少なかったためであると考えられています。代謝については別記事で解説しているので、そちらを参照してください。

後に、同市に住む主婦がカレーに「三酸化ヒ素」を混入させたとして逮捕されています。そして、現在までその動機は明らかになっていません。

その後、主婦は2009年に死刑が確定しましたが、無罪を主張し裁判のやり直しを求めているようです。冤罪という話も見かけますが、ここではそれは議論しないこととします。

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